皆さんは、インターネットをよくご利用されていることと思います。
インターネットの発展により、衣料品や食料品ほか、音楽や映画までも、インターネットで購入する方が多くなってきました。
それに伴い、著作権法で保護されるべき著作物(音楽や映画など)が、容易にインターネットで無料で入手でき、著作権者やその他の権利者が本来受けるべきであった多額の対価を受けることができないという事態がまかりとおってきました。携帯電話による音楽のダウンロードについていえば、正規市場では3億3000万曲、一方で違法なダウンロードが4億曲という事態になっていたそうです。権利者の方々は大変な損をしていると思います。
これでは、著作権者の制作意欲はなくなってしまいますね。優良な曲や映像の制作が行なわれなくなってしまいます。
そこで、平成21年著作権法改正(平成22年1月1日施行)によって、この点で重要な改正がなされました。
それは、①インターネット販売等で、海賊版と承知の上で行なう販売の申出は、権利侵害とする(罰則あり、著作権法113条1項2号)、②違法なインターネット配信による音楽・映像を、違法と知りながら複製することは、たとえ私的使用目的でも、権利侵害とする(罰則なし、著作権法30条1項3号)というものです。
上記の改正で重要なのは、②でしょうか。今までは、私的使用については不問に付されていたのですが、今後は、違法配信と知っていれば、私的使用であってもダウンロードすれば違法になります。
今回、上記の違反行為を逐一処罰することは無理、ということで、罰則規定はもうけられていませんが、今後、技術の発達により罰則規定が創設されるかもしれません。今回の法改正は、違法だと宣言することで、違法ダウンロードをしないように人の心に訴えているのですね。
要は、お金が必要なところはきちんとお金を払って利用しましょう、ということです。1人1人がこの法律を守ることで、優良な曲や映画が作り続けられるのだと、そして文化が今後も発展していくのだからよい投資だと思いましょう。駐車違反も同じですが、少数の人がお金をけちることで、多くの人が迷惑を被る結果はやはり許されるべきではありませんね。
(榎本)